スウェーデン映画を見るのは「ロッタちゃん はじめてのおつかい」以来。
主人公は、偏屈でぶすっとしたジイちゃん。
頑固ジジイは万国共通なんだなぁと、序盤からニヤニヤしてしまう。
ふと、たまに近所で会うおじいちゃんを思い出しました。
いつも不機嫌で、「もっと真っ直ぐ歩け!」と怒鳴られたことがあります。
(実際、私がふらふら歩いていたんだと思う)
そのときは「こわっ」と思いビビった私ですが、
佇まいとか、目の奥の表情とか、どうしても「ただのこわい人」とは思えないおじいちゃん。
会うたびに、どうしても気になっちゃう。
この主人公、オーヴェも、いつも不機嫌。いつも誰かに怒っている。
だけど、亡くなった妻を心から愛し(もうどこまでも純粋!)、
「今からそっちへ行くから」と、自殺を図ろうとするオーヴェ。
しかし、にぎやかなご近所さんのおかげで、毎度毎度、邪魔が入る……。
出てくる人、出てくる人、ま〜キャラが濃い。
そのせいか、シリアスに見える展開でも、映画自体がちっとも暗くならない!
みんなちょっと(かなり?)クセがあって、だけどみーんな愛しい。
そんな愛すべき登場人物たち。
イラン人のパルヴァネも最高に素敵なのだけど、
回想シーンで出てくる亡き妻ソーニャが、もうもうもうとにかく魅力的!!!
ぱっかーんと明るく、広い心。
オーヴェの純粋な心を見抜ける、その感性。
耐えがたい困難をも乗り越える、強さ。
こんな素敵な女性、オーヴェじゃなくても、
誰だって「惚れてまうやろー!!!!」
そして、見終る頃には、偏屈なじいちゃん、オーヴェのことも大好きになっている。
ああ、こういう人だから、あのソーニャも好きになったんだろうなぁって。
「人間って、かわいい」
「なんだ、みんな好きだわ、結局」
そんな風に、人が好きになれる映画でした。さ、もう一回見ようっと。