瞬きの詩人、水野源三さん
- megumim1219
- 13 分前
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水野源三さんは、1984年に47歳で亡くなった長野県の詩人だ。
私は、源三さんの詩を読むたびに、そのあまりにも澄んだ心に胸がいっぱいになる。
文章を書く人間としても、キリスト教徒としても、心の底から尊敬する。
何度読んでも涙があふれる。
9歳で赤痢に罹り、高熱によって脳性麻痺を起こした源三さんは、目と耳の機能以外のすべてを失う。
話すことも書くことも出来なくなってしまったが、絶望の中でキリスト教信仰を持つようになり、母親のうめじさん(うめじさん亡き後は、義妹の秋子さん)に、五十音図を使って、瞬きから一字一字を読み取ってもらい、詩を作るようになった。
それが両者にとって、どれだけ根気のいることだったか、
源三さんは『しゃべれない書けない』という詩に、その思いを綴っている。
『私のまばたきを見て 一字一字拾って 詩を書いてもらう
一つの詩を書くのに 十分 二十分 三十分
義妹の愛と忍耐によって 一つ二つ三つの詩が生まれる
神さまに愛されて 生かされている
喜びと感謝を 詩に歌い続ける』
「瞬きの詩人」と呼ばれるようになった源三さんは、生前に三冊の詩集を発行。
生前の源三さんと会った人は皆、その澄んだ瞳と微笑みに力づけられたと言う。
いつもあちらの人、こちらの人を気にかけていたという源三さん。
どの詩にも、愛と希望があふれている。
私は源三さんの詩を読むたびに、ああ、この人は本物なのだな、と思う。
ひたすらに真っ直ぐに生きた人にしか出せない、澄んだ空気が詩からあふれている。
何度も何度も読む。毎回感動する。体が震えるほど感動する。
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