出水市でツルに会えた日
- megumim1219
- 11月2日
- 読了時間: 5分
更新日:11月2日
鹿児島県出水市で開催された、
『読書活動日本一のまちづくり推進大会』に参加させて頂きました。
Instagramにも感想を書かせて頂いたのですが、本当に心温まる大会でした!
町をあげて読書を推進するって、すごいことですよね。
大会自体の素晴らしさは言わずもがな、出水市の魅力的なスポットの数々、
そして、人の温かさに感激しっぱなしの二日間でした。
さて今回、鹿児島空港までお迎えに来てくださったのが、
出水市役所のMさん。(今回、最初から最後まで大変お世話になった方です)
お電話口から鹿児島弁の優しいトーンに「おお〜っ、すてき!」と早速癒され、
お会いしてすぐに、「絶対楽しい道のりになる… …!!」と確信。
空港から出水市までの一時間ほどの道のり、
Mさんのトーク力のおかげでとっても楽しい時間でした。
感性豊かで、話がめちゃくちゃ面白いMさん。
ちょっと待って、すごい才能じゃない……?
私よりよっぽど作家に向いているのでは……と何度も思う。
(そしてどこに行っても「おっ、Mさーん!」と声をかけられる町の人気者!)
お昼ごはんは、名護港の「魚のとりこ」で海鮮丼を頂きました。
ぷりぷりで新鮮! とっても美味しかった……!
鹿児島ならではの甘いお醤油との相性も◎。
そして店員さんの笑顔、声音、すべてが温かった。
お店、満席だったのですが、
「ゆっくりしていってね〜」と優しく声をかけられ、笑顔にほっこり。
急かされない、穏やかな雰囲気。

満たされた気持ちで、ふと窓の外に目を向けると、空には白い鳥が――。
「もしや……!」
ドクン。
一気に高鳴る鼓動。
いったん箸を置き、向かい側に座るMさんに、
「あ、あれって、鶴じゃないですか!?」
とドキドキしながら質問。
「え?」と窓側を振り向いた、Mさんが一言。
「あー、あれは、海鳥ですね」
「あ…………」
なんだ、そっか、海鳥か。
海鳥ってけっこう全国どこにでもいるよね。
そっか、ハハ、鶴じゃないんだ……。ハハハ……。恥ずぅ……。
ヘラヘラ笑うしかない。
車内でMさんから、
「出水市に来る鶴はマナヅルとナベヅルが多く、どちらも体は黒い色をしている」ことを教えてもらう。
鍋の底の色に似ているから、「ナベヅル」って言うんだって!
そして今、出水市に渡来してきた第一陣はその「ナベヅル」とのこと。
「なるほど。じゃあ今見られる鶴は黒いんだ――……」と思った瞬間、
田んぼに、美しい黒い鳥が。
「――!」
前のめりになる私。
ドックン。
再び高鳴る鼓動。
いよいよ。
いよいよ、待ちに待ったこの時が――。
「あれが、ツ――……」
「カラスですね」
…………カラスゥゥゥ!
高鳴っちゃったよ、鼓動。
どうなっているんだよ、私の心臓。
――というわけで勘違いが2回ありましたが、
その後、鶴の保護エリアにご案内頂き、
ちゃんと「本物のナベヅル」を見ることができました……!!

遠かったけど、肉眼で見えた!!
ああ、あそこにいる……と思ったらやっぱり感動。
遠いシベリアから、長い長い旅を経て来たんだよね……。
「ゆっくりしていってね〜」という、昼食時の店員さんの声が頭に蘇る。
鶴たちも、今ここで、ようやくホッとしているんだろうなぁ。
その晩、出水市役所のみなさんとの懇親会で「鶴、他の鳥とどう違うと思いましたか?」と聞かれ、
「やっぱりオーラですかね?」と、やたら自信満々に答えやがった私ですが、
おいおい、カラスと勘違いした奴が言うなと。
(Mさん、「こいつマジか……」と思ったことでしょう。笑)
でもでもでも、やっぱりなんていうんだろう、
首と足をまっすぐにして飛ぶ姿勢とか、
長旅を経て安息の地にたどり着いた「やり遂げた感」というか、
いや、そういうエピソードを事前に知っているからかもしれないけど、
「かっこいい……!」と素直に感動しました。
よくここまで無事にやって来たね、って本当に。
そして、その鶴たちを丁寧に保護している出水市の皆さんの優しさにも、すごいなと。
だって、本当に大変だと思うんですよ。鶴の寝ぐらをちゃんと囲って、確保して。
農家の皆さんも、田んぼに鶴が入って来ることもあると思うし。
その上で成り立っている、「受け入れよう」という気持ち。
これ、なかなかできることじゃないなと思いました。
そして、
鶴の博物館、『クレインパーク』にも伺いました。
クレインパーク、また何度でも来たいと思うほど楽しかった!!
入ってすぐに、とっても明るい職員さんが弾けるような笑顔で出迎えてくださいました!
説明がすごくわかりやすくて、鶴たちへの溢れんばかりの愛情が伝わって……。
本当にすごいなと思うのが、
出水市で出会った方、どの方もどの方も、初めて会った気がしないのです。
「どうもはじめまして」じゃなくて「ただいま〜」って言いたくなる感じ。
シベリアから来る鶴たちを毎年迎えているみなさんの、
ウェルカムな空気が、人柄ににじみ出ていると言いますか。
とにかくとにかく温かい。ふるさとのような安心感。
博物館では、鶴たちの総数を調べる「鶴調査員」の体験もさせて頂きました。
スクリーンに映っている鶴たちが、中心のラインを越えて右から左に入った瞬間に、
カウンターを押すのです。
カチカチッと。

これ、実際に飛来している鶴たちの数を、冬の寒い時期――夜明け前のまだ暗い時間帯に、
中学生たちが(職員さんと一緒に)カウントするんですって!
その数が、正式な「数字」として、世界に発信される記録になるそうです!
瞬きもできず、目が乾燥して涙が出ることもあるとか。
体験してわかったんですが、
動体視力と反射神経が超大事。
難易度レベル1〜3まで体験させて頂いたのですが、
レベル3なんてとてもじゃないけど目で追いきれないし、指もちっとも追いつかない。
若さが必要!と、はっきりわかりました。
だからこそ、中学生の力が必要なんですね。
中学生の鶴調査員のみなさん、応援してます!!
他にも出水市でご案内頂いた場所、
お会いした方々、
書きたいことは山ほどあるのですが、
長くなってしまいそうなので、今回はひとまずここまでに。
とにかくとにかく素敵な時間をいただきました。
(東京に帰ってきて早速、
いろんな人に「出水市、最高だったよ〜」と宣伝しています)




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