桜パワー、おそるべし。
- megumim1219
- 4月12日
- 読了時間: 3分

「あーあ、ほんと、私ってしょうもないなあ……」
と自分に呆れることばかりだった、3月。
仕事ではミスが多く、執筆でもちっともいい文章が浮かばず、家事も滞り、飲み会に行けば酔っ払って失言し(翌朝、二日酔い&自己嫌悪)、シラフでも失言し(飲んでなくても結局するんかい)、ただ歩いているだけなのに知らないおじさんに説教される、という奇妙な現象に一ヶ月で二回も遭遇し(しかも、ちがうおじさん)、「あたしゃ一体……」と呆然。
もしや、あれか。
歩いているだけで、人をイラつかせる感じが出てるのか……⁈
と、普段だったら気にしないはずの些細なことも、気分が落ちているので妙〜に引っかかってしまう。
ねー、もー、ほんとしょうもないんですけどー自分ー。
自分で自分を好きになりたいとか思ってるけど、好きになれないってーーこんなんもう―。
だめだ、もっとちゃんとしよう! もっとちゃんと時間を大切に、人を大切に生きよう!
なんて反省だけはめちゃくちゃするのに、ちっとも生活を改善できない。
やる気が出ず、山のようになった洗濯物の前でどんどんヤサグレていく。
あー、とことんしょうもないぜ。
とはいえ、犬の散歩にだけは行かなくては。
ぼさぼさ頭にすっぴん眼鏡、ほぼパジャマのような格好で、とりあえず愛犬と共に家を出る。
明るい日差しのなか、ちょうど桜は満開だった。
いつも歩いている公園に、突然魔法がかかったかのような圧巻の光景。
たくさんの花見客。あちらこちらで、大人も子どもも、たくさんのグループが楽しそうな声をあげている。なんだかほんのり、公園じゅうにお酒の匂いが漂っているような。美味しそうな揚げ物のにおいも。
小さな補助無し自転車を、自慢げに乗っている男の子が「うぇ〜い!」と横を走り去っていった。「危ないからスピード出さない!」とお母さんが声を上げながら、必死で追いかけていく。
奥にあるベンチでは、高齢のご夫妻がお弁当を食べていた。両手でおにぎりを持って、おちょぼ口で食べるおじいさん。その口を優しく拭く妻。素敵。
手前の芝生では、若い女の子がアウトドア用の椅子に腰かけ、目を閉じてヘッドフォンで音楽を聞いている。なに聞いてるんだろう。やっぱ「桜系」の曲かな。
望遠鏡のような立派な一眼レフを首から下げたカップルが、木の枝に留まっているメジロを撮影している。
桜のピンクの中で、メジロの黄緑色が鮮やかだ。
レンズを覗く彼を、愛おしそうに見つめる彼女の眼差しにも、キューン。
桜があまりにも美しくて、風がすごく気持ちよくて、公園にいる人たちがみんな、それぞれすごく居心地が良さそう。
そんな姿を次々と見ていたら、「わあ……」と、喜びが胸に湧き上がってきた。
なんか、これだよな。これが全てだよなぁ……。
こんなに美しい桜を見られて、この公園にあふれている、温かい空気を共有することができるなんて。もう最高じゃん。
自分しょうもないとか、そんなわかりきってることを考えるのは、もうやめよう。
今はとにかく味わえばいいんだ、この空気を。
歩くたびに、エネルギーがどんどんチャージされていく。
共に歩くうちの犬のお尻も、ルンルンと嬉しそうに揺れている。
うわー、ありがとう桜! ありがとう、公園! ありがとう、ここにいる人たちみんな!!
「我らみんな〜♪ 地球にいる、大事な仲間さ〜♪」
今すぐ、ミュージカル調に踊り出したい気分だ。
うおおおお、すごいぜ、桜パワー!!!
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