高校生の頃、前髪をやたら気にしていた時期がありました。
当時、短め前髪がブームで、
木村カエラさんとか、榮倉奈々さんなどの人気モデルが(当時はティーン誌のモデルだった)
「激短前髪」をしていたのです。
「なんてかわいいんだろう!!私もやる!!」
そう思い、意気揚々と自宅の洗面所に立った私。
少しずつ切って様子を見ればいいものを、ズバッとおでこの半分まで切りました。
「あれ……?」
お、思ってたんと違う……。
一瞬にして、「ひょうきん」になってしまった鏡の中の自分。
「え? え?」
おかしい。
どう見てもこれは、
「世界まる見え」で番組冒頭おふさげするときの「ビートたけし」のカツラだ。
「もう少し切れば、木村カエラになるはず!うん、きっとそうだ!あともう少し……」
焦った私は、そこでやめればいいものの、どんどん前髪を切りまくり、
最終的に生え際から1センチのところまで切ってしまったのです。(!!)
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ……」
自分で切っておいて何言ってんだって感じなのですが、
あまりのへんちくりんさに、膝から崩れ落ちました。
ハサミを握ってしまった、いまいましい自分の右手を睨みながら洗面所で大号泣。
翌日、仮病を使って休もうとするも母にバレ、
絶望しながら、(冗談じゃなく、本気でどこかに逃亡しようと思ったほど)
それでもなんとか登校。
「え、なになになに!!前髪、火事にあったの⁈」と、
大して仲良くもない男子からもいじられ、
女子たちからは「えー、でも大丈夫だよぉ〜」と、
あきらかに大丈夫じゃない人に言うセリフを言われたあの日。
あの時の、学校へ向かう電車の窓。
そこに反射して映りこんだ自分の、こっけいな姿。
これから、私はどうなってしまうんだろう。
このまま永遠に、学校に着かなければいいのに……
西武線に揺られながらそう思ったあの時間を、妙にくっきり覚えています。
あれから20年経った今思うと
「若かったなぁ〜」と笑ってしまうのですが。
だけど、あの頃は、
前髪とか、
顎にできたでっかいニキビとか、
授業中にオナラ出ちゃったらどうしよう、とか、
そういうことが、「いちだいじ」だったのでした。
今、私が感じているいろんな悩みも、
20年後の私が「若いねぇ」って、笑ってくれているといいなぁ。
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