ささきありさんの『あの子は、わたし。ホロコーストを演じた「いとしま8・6平和劇」』を読みました。
子どもたちが主体となって行う「平和劇」。
「いとしまハローピースアクト」の子どもたちを追ったノンフィクションです。
「演じる」ということを通して、
子どもたち一人が「戦争を追体験」し、「命の大切さ」を強く感じ、成長していく姿が克明に記されていました。迫力のある、心が揺さぶられる一冊でした。
子どもたちが、「ホロコーストの記憶」をたどるために、ヨーロッパを実際にめぐるのもすごい。
アムステルダムにある「アンネフランクの隠れ家」
プラハの「ホロコースト記念館」
テレジンの「強制収容記念館」などなど……。
目を覆いたくなるような展示から、目を逸らさずに、
子どもたちは「ホロコースト」で亡くなった人たちの「声」に、必死で耳を澄ます。
「あの子は、わたし。」
この本のタイトルでもある言葉が、ぐっと胸にせまります。
「あの子たちの悔しさを、なかったことにしたくない」
生きたかった子どもたちを思い、
生きている子どもたちが必死にその思いを伝えようと演じる。
平和を繋ごうとする思いに、感情が揺さぶられました。
未来は明るい。子どもたちに、そう教えられたような気がしました。
なんどもなんども読み直したい、心がふるえる、すごい本でした。
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